143: 名無しさん@おーぷん 19/11/25(月)20:22:48 ID:a7i
今から10年くらい前の、転職したての頃の話。

中途採用ということで、同期4人と一緒に地方から東京へ三か月の研修へいった。
研修は『場合によっては延長の可能性もある』ということで、当時は『壁が薄いよね』程度しか言われていなかったレオパレスに部屋をとってもらった。

初日に移動して、二日目に本社へ挨拶に行き、三日目に買い出しという流れになった時に、
「ゴミ袋等の消耗品は一人一袋だと多いから、みんなで分けよう」
って話になった。
自分はゴミ袋担当。
で、目的のものを購入し、四人で集まって分けて、いい時間だから『解散だー』ってなって各自部屋に戻っていった。
が、その中の一人がゴミ袋を忘れて行った。




夜勤のあるシフト制の仕事なので、
(今日を逃したらいつ渡せるかわからない)
と思った自分は、物をもって同僚の部屋へ。

144: 名無しさん@おーぷん 19/11/25(月)20:23:29 ID:a7i
ここでちょっと話が変わるけど、自分が泊まったレオパレスは玄関ドアの真上に小窓があった。
玄関開けたらまっすぐに廊下があり、その廊下の真上が寝れるくらいのスペースのロフトになっていた。
小窓はそのロフトの明りとりの窓。

で、ゴミ袋を持った自分は同僚の部屋についてインターホンを押そうとした瞬間。
頭の上からカララと小窓が開く音が。
反射的に顔を上げると、

ザビエルに少しバーコードがかかった頭の状態の同僚が顔出していた!

それまで会ってから数日。
フサフサで自毛だと思っていた髪は、あるべき場所に跡形もなくなかった。

145: 名無しさん@おーぷん 19/11/25(月)20:24:38 ID:a7i
自分、ポカーン。

同僚もポカーン。

何も考えられない沈黙の後、
「あ、これ忘れ物」
「お、おう。ありがとう…」
というやり取りでゴミ袋を渡してふらふらと帰宅。
そのまま布団に潜って、
(あれはいわゆるハゲというもので…)
(でも初めてみた…)
(って、同僚はカツラだったのか…。全然気づかなかった)
(そういや親族友人知人近所の人にハゲなんて誰もいない…)
(そういう人の秘密見ちゃったらどうしたらいいんだろ…?)
と一晩グルグル考えてから、
(見なかった箏にしよう)
と決めて寝た。
夢に後光の射した同僚の顔が出てきた。

後日、ハゲのバレた同僚に呼び出しをくらった。
(何を言われるんだろう)
とビクビクして行ったら、
「ハゲの箏なんで言わないんだよ!
俺、ハゲ隠してるのは飲み会とかでネタにするためなんだから、お前が言うなら合わせて笑い取ろうと思ってたのに!」
という斜め上の発言をもらって、
(えぇ~…)
という別の修羅場が起きたのは言うまでもなかったです。



伝えたい箏-こと-
伝えたい箏-こと-