273: 名無しさん@おーぷん 2016/12/18(日)22:23:57 ID:BNv
今年のはじめに息子を出産した。
それと入れ替わるように祖父が逝った。

祖父の死は病気とか怪我とかそういう何か大きなきっかけがあったわけではなく、数年かけてゆっくり弱っていって亡くなった。
ようするに寿命、老衰。
数年前まではかくしゃくとしていた祖父だけど、まず足腰が弱って立たなくなり、歯が抜けて固いものが食べられなくなり、食事や入浴や排泄に介助が必要になり、最期の方は寝たきりになって寝返りもうてなくなって、表情も乏しくなって、こっちが話しかけてもアアとかウウとかしか返せなくなって、目もほとんど見えなくなって、寝ているのか起きているのか夢うつつの状態がしばらく続いたあと、静かに逝った。




一方、息子。
最初のころは昼夜の区別もついてなかったのが、だんだん目が見えるようになってこっちを見るようになり、アーとかウーとか言うようになり、表情が豊かになって、寝返りがうてるようになって、ちゃんと座ったり立ったりできるようになってオムツ替えやお風呂も楽になり、離乳食を開始したら歯が生えてきて少しずつ固いものも食べられるようになって、今は足腰もしっかりしてきてよちよち歩きまわってる。

私は宗教心とか薄いし、いわゆる死生観というものもこれといって持っていなかったんだけど…。
死ぬまでの祖父と、生まれてからの息子、両方の様子を見ていて
(人間って生まれたところへ帰っていくんだなあ、帰って行ったところからやって来るんだなあ)
って、何となく思うようになった。


…という話を母(祖父の娘)につらつら話してみたら、母がしみじみと私の息子の頭を撫でながら
「そうねえ、人間は生まれてからもらったものを全部お返しして死んでいくのよ。
髪の毛だってね、その人が生まれた時と同じくらいの量になって死んでいくんですって」
と言った。

母よ、つまり私の息子は最後にはハゲると、そう言いたいんですねわかります(´・ω・`)



終宴に至るラグナロク